飛行機の中で煙草を吸ったことがある

20年以上前、まだ、自分が喫煙者だった頃。縁あって乗ったサンフランシスコ行きの国際線。もう記憶が曖昧だけど、確か、最後尾が喫煙コーナーだった。

12時間以上のロングフライト。吸わずに過ごすなんて、考えもしなかった。

当時、ハイライトが200円、ラッキーストライクが250円、ゴールデンバットが90円。

その頃の僕は金回りが悪くて、ある日の所持金が100円玉一枚きり、なんてこともよくある話で。

缶ジュースを買って空腹を凌ぐか(当時は定価が100円だった)、ピンボールで時間を潰すか(馴染みのゲームセンターの、特定の機種なら、初回で失敗しなければクレジットを増やしてずっと遊んでいられた)、ゴールデンバットを買いに行くか悩んだ、そんな時代。

街を歩きながら煙草を吸うのが当たり前だったし(アルミ製の携帯灰皿を持ち歩いていた)、駅のホームの柱に灰皿があって、ホームで喫煙できた。

そんな時代もあったねぇ。

その後、世の中が禁煙、分煙に進んで、今は、あの頃とは比べようもないほどに、煙草を吸える場所は限定されていて。でもそれは、受動喫煙の害が明らかになった以上、受け容れるしかないと思うけれど。

自分は、程なく禁煙に成功したので、そんな世の中の変化にも、「愛煙家達は大変だねぇ。自分は止められて良かったなぁ。」くらいのスタンスだったけれど。

・・・・・・

ライブバーで、美味しい食事やお酒を楽しみながら、ステージからのコールにレスポンスしたり。

セッションで思いっきり歌ったり。

炭火焼肉のチェーン店で、同僚とワイワイしゃべりながら肉を焼いたり。

下北沢のミュージックバーで、ウィスキーを飲みながら時事について意見を交わしたり。

そんなことができた時代もあったねぇ。あの頃は楽しかったなぁ。

・・・・・・

なんて、すべてを諦めたわけではないしその必要もないとは思うけど、前とまったく同じには、きっと、もう戻れない。

東京は明日からステップ2に移行するけど、まだまだ予断を許さない状況だし、もしいつか、終息する日が来たとしても、多分、自分の意識が、前とまったく同じには、きっと、もう戻らない。

満員電車も、これまではポジション取りを研究してうまく付き合ってきたけど、明日、2ヵ月振りに通勤電車に乗るとき、どう感じるんだろう。

そういえば、前はレバ刺しが好きだったけど、今では、食べたいとは思わない。無知だったから、楽しめた。

そうやって日々、更新されていくものなんだよね、価値観って。

感情的、感傷的になっていたけど、新しい価値観と折り合いをつけて、日々をアップデートしていくしかない。

大丈夫、きっとできるさ。

前向きにいこう。

(noteの投稿を移設。公開日はnoteに投稿した日時です。)

コメント

タイトルとURLをコピーしました