エレクトリックベースを購入しました。年末に書く予定のエントリ「2012年を振り返って」に登場することが確実な、新しい相棒です。
昨年からベーシストとしてバンドに参加してベースの練習をする時間が増えるにつれて、新しいベースを手に入れたいという気持ちが強まっていました。
自宅では、10年以上前に知り合いから譲ってもらったミディアムスケールのベースで練習していたのですが、練習スタジオやセッションでお借りするのはロングスケール(レギュラースケール)のベースなので、本腰を入れて練習するならロングスケールのベースを手に入れて、そのスケールを自分の中の基準にしたいと考えたのです。
一方、ボディについては、2月のバンド練習の際にレンタルしたスタジオのベース(Fender JAPANエアロダインジャズベース)が大きく重く感じられたので、なるべく軽くて小振りのものが良いなぁ、とも思っていました。腰痛持ちですしね。
セッションでベースを弾きはじめた当初にも購入を検討した時期があったのですが、たまにセッションで演奏するだけだったので、どのようなベースが自分に必要なのかが曖昧で購入までは踏み切れませんでした。
ターニングポイントは、やはりバンドに参加したこと。そして、課題曲の中にスラップ必須の曲が有ったことです。
スラップは不得手なのですが、リスナーとしてはスラップも好きなので、ベーシストの顔を持つならスラップも習得したいところです。バンドで演るというのは、習得の絶好のチャンスともいえます。
「ロングスケールでスラップ向きのベース」という方向性が固まったので、改めてインターネットで情報収集していくなかで、この機体に辿り着きました。
アッシュのチェンバードボディで、重量およそ3.5kg。それまで弾いていたミディアムスケールのベース(約3.8kg)よりも軽い! ボディサイズも通常のジャズベースより一回り小振りなディンキーシェイプ。スペック上は、とても魅力的です。ナチュラル塗装のルックスも好みです。
ギター選びの際にはメイプル指板にかなり違和感があってローズ指板にした経緯があったので、そこは少しだけ気がかりでした。ただ、スラップにはアッシュボディ/メイプル指板が向くという評を多く見かけたので、弾けるようならメイプル指板にしたいという気持ちもありました。ルックス的にも、メイプル指板なら素のままでいいのですが、ローズ指板だとマッチングヘッドにしたくなります。
Sadowskyは他にも魅力的な機体がいくつかあったのですが、中でも特に気になるこの機体をまず試奏し、それを評価基準として検討を進める、という方針でいくことにしました。
仕事を早めに切り上げられた日に、楽器屋さんに足を運んで試奏。まず、抱えた感じがしっくりきて好印象。バンドの課題曲のベースラインを色々弾いてみて、メイプル指板への不安はすぐに払拭されました。弾き易い! 音が気持ち良い!
つまみをあれこれ回して、音のバリエーションをチェック。アクティブでブーストを効かせると強烈な存在感。アクティブ回路をキャンセルしてパッシブで鳴らした音も良い感じです。
印象的だったのは、右手のニュアンスがダイレクトに出音に現れること。弾き方が悪ければそれも出てきてしまうわけですが、これを弾きこなすことを目指せば、かなり上達できるのではないか、と思いました。
ストラップをお借りして、立っても弾いてみました。軽さを改めて実感。1時間ほど試奏したところで閉店時間になり、アウトレットの1点物なので、なにはともあれホールドしました。
この時点で気持ちは相当傾いていたのですが、安い買い物ではないので他の機体との比較もしてみたく思い、まだ営業していた別の楽器屋さんへ。
そちらでは、別メーカのアルダーボディ/ローズ指板のジャズベースタイプ、アッシュボディ/メイプル指板のジャズベースタイプを試奏させていただきました。30分ほどでしたが、思いのほか材質による音色の違いを感じることができ、方向性を定めることができました。アルダー/ローズの丸みのある音も良いですが、アッシュ/メイプルのきらびやかな音が、今の自分の求めている音だということを確認できました。
そして、慣れもあると思いますが、ポジションマークは、ブロックよりドットのほうが自分には見やすいことを確認できたのも収穫でした。ルックス的にはブロックインレイも好きなのですが、メイプル指板に白系のブロックインレイはしっくりきませんでした。
この日はここまで。別のお店にやはりSadowsky TYOのアッシュ/メイプルで気になる機体があるので、翌日、そちらの試奏に出向きました。
違いは、ワンタッチでドロップDチューニングにできるXTENDER、シングルコイルピックアップ、Hipshot Aブリッジ、チェンバードでないソリッドボディ。重量はおよそ4kg。
4弦ベースに絞って検討していたのでXTENDERによる低音域の拡張は有効かもしれないというのと、ピックアップの違いによりどれくらい音が異なるのか(どちらの音が自分好みか)、といったあたりがチェックポイントです。
30分ほど試奏した結果、こちらも良い感じではありましたが、ピックアップは前日に試奏したほうに搭載されているスプリットJタイプのほうが、より自分好みと感じました。
この時点で「昨日弾いたほうだな」とほぼ決まったのですが、念のため、前日の店に足を運んで再試奏。抱えた瞬間に「あ、やっぱりコイツだ」と感じることができたので、決めました。XTENDERなどは後からでも装着できますしね。
ベースを2本所有する空間的余裕が無いので、これまで使っていたベースは下取りに出しました。仮にスペースがあったとしても、もう出番が回って来ないことが確実ですし……。今までありがとう!
そして新しい相棒を連れて帰りました。前述の通り、右手のニュアンスがダイレクトに出音に表れるのは楽器店で試奏していたときから感じていたのですが、家で弾いてみて、左手の押さえ方によっても大きく音色が変わることに気付きました。基本的にバリッとした音色が特徴のベースですが、押さえ方次第でウォームな感じも表現できそうです。
今の自分の演奏レベルではこのベースの良さを活かしきれないので、しっかり練習して、Sadowsky TYOに見合う弾き手になれるよう頑張ります!
- Body: Ash/Ash Bent Top-Chambered
- Body Color: Natural
- Neck: Maple on Maple
- Nut: Ivory
- Bridge: Sadowsky 4String Bass Bridge
- Tuner: Sadowsky 4String
- Hardware: Chrome
- Pickguard: Black 3ply
- Neck Pickup: Sadowsky Split J
- Bridge Pickup: Sadowsky Split J
- Preamp: Sadowsky Bass Preamp
- Control: Master Vol, Pan, Master Tone(Pull-PreampThru), Treble .Bass
- Knobs: Sadowsky Bass Knob w/Sadowsky Stack Knob
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